【デザイナー必見】キッチンデザイン実践編

キッチン、カップボードの実例からデザインの詳細をこと細かく
説明しています。

目次

カップボードに炊飯器を収納する

このカップボードの仕上げは
銘木(チークランダム貼りツキ板)クリアー塗装仕上げと
なっており

炊飯器を収納する部分(内部)だけは

難燃材であるメラミン(ツキ板と類似した柄)貼りとなっています。

当然、
スライドする天板もメラミンですから

耐久性、熱に対する強さ、傷が付きづらいなどの
利点があります。

さらに
スライド天板の口板部分は5mmほど上げていて
それが手かけの役目となっています。

この写真は工事途中の写真なので
コンセントは見えていないのですが
壁から出ているコンセントを内部に
移設して完成です。

トール収納に炊飯器スペースを確保するとなると
扉の丁番分、スペースを開ける必要があります。

ですから

そこを

フキン掛けスペースとしたものです。

使った金物は

マイクロポスト という金物で

φ6 のバーをつけたものです。
(検索するとすぐヒットします)

*通常は ころび止め として使われています。

キッチンのシンプルさはサイドパネルにあり

たかが

サイドパネルと思わないでください。

このキッチンの写真はとてもシンプルで
それがカップボードや天井部分にまで
連動していることがわかると思います。

「キッチンなんだから
サイドパネルはついても仕方がない」


簡単に割り切ってしまうのならば

少し、いや非常に寂しくなってしまいます。

ディテールにこだわっていればこそ
全体のデザインにまで
考えが及ぶものと思っています。

つきつめて行きましょう!

キッチンのデザインのふくらましかた

キッチンの設計の依頼を受けた時、

渡された
平面図を見て

キッチンの位置の確認と

どう見えるか、そしてどう見せたいのか?
を第一に考えます。

ですから
色も形も室内とのバランスを考えながら
コーディネートすると良いと思います。

キッチンプランを手がけた当初は、

キッチンのショールームや
キッチン施工例の載っている雑誌も探し、

ショールームや
展示会、そして
WEBで見かけて気になったキッチンは
直に目にして質感を確認したものです。

それと
デザインのふくらましかたについてですが、

前提として
キッチンや家具の構造を理解するということが必要です。

そして理解力を養うのであれば
参考となる図面を入手して、模写をするのが一番早いでしょう。

それを繰り返すことで
写真などを見たときに

「あぁ、きっとこんな構造なんだな」

と理解できるようになってきます。

基本を知らなければ応用は出来ませんから
じっくりと取り組みましょう。

基本がある程度理解できるように
なってからは

逆に

●作れるかどうかを考えない。

●価格的に高いかどうかも考えない。

など
自由なスケッチを書くように心がけています。

でも
そもそも感性が刺激されなければ
スケッチも書けないので

感性を磨くために
常日頃
Pinterestから素材を探し、ストックしています。

そうして集めた写真はいつのまにか
1,000枚を超えています。

そして素晴らしい施工例を見ては
「このレンジフードは日本では
手に入らないなぁ」

とか

「この納まりは真似できる!」

「どこかで提案してみよう」

と構造を分析しながら見ています。

ですから
私にとっての最高の参考書ともなっています。

サイドパネルの秘密=ラインの秘密

何気なく目にしている
キッチン。

そして
設計しているキッチン。

今回は
私が特に意識している
キッチンのサイドパネルについての
説明をしています。

*知っておくべきポイント

通常のキッチンのサイドパネルの厚さは
約20mmとなっており、

キッチン製作工場では
一つのラインとしての製作となっているため
この部分だけ厚くするということは

全体のキャビネットの寸法にも影響が
及ぶため通常は出来ないと思ったほうが良いでしょう。

もう一つ
秘密を明かすと

パネルの木口テープも工場ラインで貼っているため
一方向でしか貼れないのです。

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この記事を書いた人

【フロートテレビボード開発者】
2004年にフロートテレビボードを開発した家具デザイナー
従来のテレビボードの欠点を解消するために、テレビボードを浮かせて配線を収納する構造を考案
ハウスメーカーや設計事務所などから多くのオーダー家具の依頼を受けている
住宅の設計担当者やインテリアコーディネーターの講師も務めている

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