壁掛けテレビの下地ごと作ったフロートテレビボード

 

目次

完成した家の壁には取り付け用の下地がありませんでした

 

家が完成してからテレビボードの製作依頼も少なくありません。このお宅の場合もそうでした。

そこで家を実際見ながら施主のご希望も伺い、電源の位置や寸法取りもすませて図面の制作にかかりました。

ご要望としては、FAXやオーディオ機器類も含めたものにすることと、圧迫感を感じさせないようなおしゃれなものということで、デザインはお任せされました。

プランニングの始まりとして最初に思ったのは更かし壁の位置をどうするかということでした。
左側にはすでにインターホンがあるのでそれを避けて設置しなければなりませんので片寄の形とすることにしましたが全体のバランスを取ることに少し苦労しました。

さらに圧迫感をなくする方法としては、更かし壁の仕上げを壁のクロスと同じものとし、上と下に間接照明を入れることにしました。

このように壁までもオーダーで作った場合の利点は電源や配線についての自由度が上がるということです。
右側のトール収納部から、下のオーディオ収納部まで内部の配線はできますし、電源も取ることができますのであとで機器類が増えてもつなぎ込みには苦労しなくて済みます。

そしてよく「オーダーのテレビボードは一年くらいで歪んだりすることはないのですか?」と聞かれる言葉に関しては「扉の微調整程度はあると思いますが(個人で調整できます)本体が歪むなどのクレームは10年経っても受けることはめったにありませんと答えています。

めったにありませんというのは、実際作り物に関しては最大の注意を払って設計と製作をしていますが現実問題として時に強度不足が発覚して箱がおじぎをしたなどのクレームは受けたことがあります。そしてオーナーには正直に話して、補強することで解消したという例もありました。

あとは信頼をしていただけるかどうかでお決めいただいているということです。
デザインも挑戦しなければクレームを受けることもありません。

そして失敗も共有していただけることで私はデザインの挑戦もすることができています。
ほかに無いものを作るということは20年、30年キャリアを積んでも難しいものです。

家具の仕上:ゼブラウッド染色仕上

 

 

 

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

【フロートテレビボード開発者】
2004年にフロートテレビボードを開発した家具デザイナー
従来のテレビボードの欠点を解消するために、テレビボードを浮かせて配線を収納する構造を考案
ハウスメーカーや設計事務所などから多くのオーダー家具の依頼を受けている
住宅の設計担当者やインテリアコーディネーターの講師も務めている

目次