このフロートテレビボードを見て「後付け」だと思う人はいないでしょう

テレビボードをフロートタイプにするには必ず壁の下地補強が必要となります。
さらにコンセントの位置も関係します。この例ではすでに工事が完了していたため
思わぬ位置にコンセントがあったのですが、現状に合わせたテレビボードの設計をしたことで無事に後付けができました。

目次

家が完成間近でのフロートテレビボードのお問い合わせ

テレビボードをお探しのお客様がk-designのフロートテレビボードをご覧になり
お問合せの電話をいただいたことがきっかけとなり、その後度重なる打ち合わせを重ねて
無事に設置をすることができましたが、お問い合わせ時点ではテレビボードをフロートタイプにするのには
無理があったのです。

それはお問い合わせをしていただいた時点ではすでに建物の工事が進んでいたため
電源の位置がすでに決まっていたことでした。

そのためコンセントの位置によっては金物に干渉する可能性が高くなります。

そもそもフロートタイプということは浮いている状態ということなので
補強のための金物が絶対必要ということになるのですが、
恐れていたようにこのリビングのコンセント位置も補強金物に干渉する場所にあったのです。
さらにコンセントの高さもテレビボードを壁に固定するためのネタに干渉するという状態だったのです。

その家の現状に合わせて設計することに

壁掛けテレビを予定しているということで幸いテレビボードの設置位置にも下地が入っていましたので
これは何とかなると思いその家の現状に合わせて設計をしました。

固定する金物のところはコンセントがぶつかるのでその部分は金物をやめて空間を作り、
木(モク)での補強ということで対応しました。

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壁の仕上げ工事との取り合いに悩む



リビングのテレビボードを設置する壁にタイルなどの壁材を貼るという家も増えています。
フロートテレビボードについてはこの壁材を貼る工事との取り合いが大切になってきます。
壁材をすでに貼り終わっているならば壁材の種類により後付けができなくなる可能性もあります。

幸いこの現場では壁の仕上げ工事がまだでしたので後付けするための方法もあったのですが
できればテレビボード設置後に壁材を貼って欲しいとお客様に伝えました。

すでに予定していた壁材貼りの工事を遅らせるということは工事業者に追加予算を支払わなければ
ならない可能性もあるのですが、この先住み続けるのですからそこで妥協はしないということにしていただきました。

ちなみに壁材工事との取り合いではテレビボードの大きさの分だけ開けて壁材を貼るということが一般的です。

壁材と一体となったフロートテレビボード





この完成写真を見てほぼ後付けだと思う人はいないでしょう。
それだけ完璧に納まったと自信を持って言うことができます。

オーダーの家具は基本先付けするものですが、このフロートテレビボードは
先でも後でも設置が可能となっています。

その理由は設置する場所と工事の進捗状況に合わせて設計しているからです。

k-designのフロートテレビボードに関しては完成するまで二ヶ月ほどかかりますから
むしろ後付けするパターンが多いのですが、
ハウスメーカー、工務店様の工事担当者との工程の打ち合わせもk-designが直接行っていますので、
お客様には一切面倒をお掛けすることはありません。

いずれにしても工事状況に合わせて先付けでも後付けにも対応ができることが強みとなっています。



フロートテレビボードの製造の打ち合わせには動画(YouTube)を活用





製造の現場ではめったにはありませんが”言った言わない”でトラブルが生ずることがあります。

これは恥ずかしながら自分にも何度か起きたことがあります。
電話で伝えても、図面で伝えてもどういうわけか正確に伝わっていないことがあるということです。
もちろんメールでも伝えています。

ですから、文章、図面、声で伝えても間違いが起きるということです。

これには相当頭を悩ませ、解決策を模索した結果、
ならばと視覚でも伝えて見ることにしました。

その結果、言い間違い聞き違いだけではなく思い込みも解消することができたのです。

それからは難しいフロートテレビボードについては動画(YouTube)を活用しています。



動画(YouTube)はフロートテレビボードの品質管理にも効果がある



フロートテレビボードのようなオーダー家具全般に言えることですが品質管理が一番大変なのです。

そもそもオーダー家具の品質が一定ではないということに驚くと思いますが、
工場が5つあれば同じ図面を基にしたとしてもそれぞれ違う品質のものが出来上がります。
もっと言えば家具工場の職人さんの違いによっても起こります。

ただ一般の人にはその判別は付かないとは思いますが、品質管理という観点ではこれは悩ましい問題なのです。

量産化できるものは製造ラインに乗っているのでバラツキは無いのですが、
完全オーダー品は個人の力量がそのまま製品に反映してしまうので難しいということです。

ですからもっとも難しい部分は各工場にサンプルを必ず作ってもらっています。





見た目以上に大切なのは耐荷重





フロートテレビボード、テレビボード フロートと検索するとたくさんのサイトが検索結果に現れますが
耐荷重についての説明があるサイトが少ないことに不安を覚えています。

私がフロートテレビボードの開発にもっとも苦労したのが耐荷重をどう上げるかでした。
そのため金物屋さん、鉄骨屋さんに出向いて知恵を拝借したものです。
家具の知識だけでは決して作れなかったことでしょう。

製造や施工についてよく職人さんにお願いしていますという言葉を聞くことがありますが、
職人さんと言っても経験値の違いがありますのでそれで安心だということにはなりませんので
厳密ではなくても耐荷重については実験などをするべきだと思っています。

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さまざまな壁材を貼った施工例をごらんください。

フロートテレビボードが特に壁材を綺麗に見せていることにご注目ください。

Houzzでもこの施工例を紹介しています。

Houzz
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この記事を書いた人

【フロートテレビボード開発者】
2004年にフロートテレビボードを開発した家具デザイナー
従来のテレビボードの欠点を解消するために、テレビボードを浮かせて配線を収納する構造を考案
ハウスメーカーや設計事務所などから多くのオーダー家具の依頼を受けている
住宅の設計担当者やインテリアコーディネーターの講師も務めている

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