壁面パネルの中にフロートテレビボードを納める場合、
双方製作寸法を守らなければなりません。
その許容範囲は大きくても2ミリ以下です。そういう妥協が許されないしつらえが
窓(サッシ)や床のタイル、小さな巾木の納まりに及びシンプルモダンな空間を実現させるのです。
2ミリの誤差も許されない世界
F様から送られてきた完成写真を見たときには
フロートテレビボードと壁面パネルの納まりに加え、
照明バランスの美しさに見とれてしまいました。
後ろに見える縦長の窓(サッシ)や床のタイル、小さな巾木の納まりも
「シンプルモダンとはこのこと」と言わんばかりの完璧なものでした。
このような完璧な納まりにするには
壁造作とテレビボード造作の双方が2ミリ以下の誤差にする必要があるからです。
(テレビボードは幅寸法を絶対守り許容誤差は1ミリとしています)
F様からのご依頼内容
テレビボードの中に趣味のゲーム機をたくさん収納して、
その配線をボードの中で収めたい為、扉が引き出し式ではなく、開き扉やフラップ式の物を探しておりました。川尻様の作品を拝見しまして、テレビボードのスタイリッシュなデザインや、
色や材質をオーダーできる点、冷却ファンが付けられる点に大変ひかれまして、
ぜひ製作をお願いできないものかと思っております。
というものでした。
それでテレビボードの設計に入るために
F様には平面図と収納したいものの一覧(寸法付)を送っていただいたのですが
送られてきた図面は一目でプロが書いたものだと分かりました。
(設計事務所の代表者でした)
見ていただくとお分かりのとおり
緻密に計算された図面ですので
あとはテレビボード浮かせるために必要なブラケット(固定金物)を
反映させた図面にするだけでした。
そして数度寸法とディテールの打ち合わせを重ねただけで
工場手配をすることができましたが、
それまでの打ち合わせ内容を
ハウスメーカー様にも共有していただいたことにも助かりました。
工場との綿密な打ち合わせ
図面が承認されたので
今度は工場との打ち合わせです。
お互いの勘違いを無くすために
ZOOMで行い、録画を共有したのですが、
そこまで慎重になるのは
慣れによる
思い込みによるミスを防ぐためです。
(意外に思われるでしょうけど製造現場ではたびたび起こることです。)
特に
テレビボードは幅寸法を絶対守り許容誤差は1ミリ以下と伝えることも
忘れていません。
なぜ1mm以下かというと
建材の伸縮による誤差がどうしても起きるからです。
それでは以下から
製作写真と完成後の写真をごらんください。
製作写真
完成後の写真
お客様からのレビュー
F様からは
あたたかいレビューもいただきました。
製造側は作って発送すればそれで終わりという慣習が今持ってあります。
私は昔から職人さんが手をかけて作ったものが
どれだけ喜ばれているかが職人さんが分からないということに
これでは作りがいがないではないかと感じていたため
可能な限りお客様には完成写真を送っていただき
それを職人さんにも分かるようにホームページにアップしています。
F様
素敵な写真とあたたかいレビュー、本当にありがとうございました。
今後の励みとさせていただきます。
拙宅のテレビボード周りの写真を送付致します。
垂直面の光沢ある素材がテーブルや間接照明とマッチしているように思います。こちらの素材にしていただいて正解でした！
また、ボードの黒い透明部分のデザインと、サウンドバーが平行しているのもスタイリッシュで良い感じです。内側・外側・天面・底面と、たくさん空けて頂いた配線等の通気孔は、どれも使用させて頂いております。
ゲーム機等5～6個の機械を入れてみましたが、おかげさまで中に熱が篭もりにくく、また配線も綺麗に納まりました。
細かく調整いただいた箇所、どれも使いやすくて嬉しいです。本当に理想通りです！川尻様にはタイトなスケジュールの中、
数多くの要望を汲み取って頂いた物を設計・製作いただきまして、誠にありがとうございました。
これからも大切に使わせていただきます。
