家具の設計の基本を見てみましょう。(DIYにも使える技)

家具の設計は、かんたんなものから
システムキッチンの設計までと範囲がとても広いものです。

それで
最初から高度な設計に走ることなく、
ごく普通の小さな箱が、デザインの仕方で
手洗い台や電話、FAX台にも変わっていく様子をお伝えします。

目次

①家具の基本中の基本形

拍子抜けするかも知れませんが

芯芯 910×455 の収納の図面を公開します。

色々な家具の設計をしても
基本が出来ていなければかえってチグハグになり
修正もままならなくなることを防ぐ意味もあります。

たかが

910といっても 書く人間によって様々な形になります。

このメルマガではあくまでもk-designの方法(メソッド)
ということをご了承ください。

家具には
先付けと後付とがありますが
ここでは後付の家具を紹介していきますので
大工さん造作と違いフィラーで調整して納める手法となります。

では
説明です。

カベの奥行きと扉の前を揃え
天板は両サイド10mmづつ飲み込ませ
扉からも10mm手前に出す形を基本としています。

この納まりは
今後色々な家具の設計にも共通することが
多いと思いますのでしっかり抑えておきましょう。

 

②扉に取っ手を付けない納まり

先ほどの設計図に
さらに変化をつけてみました。

それは
取っ手を付けずに
ワンタッチで開くようにしたものです。

その方法とは
箱の
上下の板の出をマイナス5mmにするだけです。

側板はそのままでかまいませんが
面倒であれば
側板も-5mmとしても良いでしょう。

 

③ただの収納をTEL/FAX台に変える

単なる収納を
電話(FAX)台にする

それも
既存のコンセント/TELの位置を変えずに
設置できる仕様にしました。

それは
以下の2ステップで可能となります。

1.通気孔を用意
キャビネットの中にコンセント/TELがくるので
そうします。

2.棚板と背板の間にスペースを設ける

たったこれだけで
収納がTEL/FAX台に変わります。

*ただし
このままでは背板部分に穴を開け
コンセントを移設することが必要となります。

ですから
背板不要としたほうが
簡単です。

DIYにも使える技の紹介でした。

人気施工例のまとめはコチラ



④DIYでも十分作れる天板を見せない納まり



『天板を見せない納まり』

*実は私が気に入っているスタイルを紹介します。

通例は
箱の上にはカウンターとなるのが一般的ですが
それだと
箱+カウンター、
そしてカウンターの面の形状まで考えなくてはいけません。

はたして
それでオシャレに見えるのでしょうか?

無駄なしつらえが多いと思いませんか?

それに
カウンターを使わない納まりの狙いは
何よりも
「正面」から見たときの「面」の美しさを強調できる
という点です(^-^)





 

⑤オープンスペースを設けたプラン



これも
好みによると思いますが
一昔前からある
スタンダードな形です。

では
両方を比べてみると

予算的には
当然
カウンター無しのスタイルがやさしいですし、

作る技術も
オープンスペースタイプの難しさに対し

カウンター無しのスタイルは
素人でも難しくはありません。

DIYでも十分作れます。

*難しさと
オシャレさは比例しないので
入り口であるデザインを吟味しましょう!





 

⑥基本形の箱を化粧台に変える 1



ここからテーマを変えます。

それも
難しいとされる洗面、手洗いカウンターを
設計してみましょう。

ところが
難しいと言われていたのは
一昔前、

今では
参考図やデータも公開されていますので
ちょっとしたことに
注意さえすれば
いとも簡単に設計できてしまいます。

では
元にするのは最初の図面です

先ず
このキャビネットの奥行きは455ですので
この奥行きにセットできる洗面器、手洗器を選びます。

*フォルダーの中には
トウキのメーカーURL、データ当を含めていますので
すぐに作図が出来ます。

それと
高さにも注意が必要です。

トウキの図面では820となっていますが
実際は800とすることが多いです。
(特に気にすることではありません)

それと
このトウキを選んだ大きな理由は
カウンターの穴あけ加工が楽という点です。

選ぶトウキによっては難しい穴あけ加工
となっているものもありますので注意が必要です。

それと
この図面では背板が付いていますが
施工を簡単にしたいのであれば背板を取りましょう。

最後に
取っ手をハンドルにすれば
タオルも掛けることができます。





 

⑦基本形の箱を化粧台に変える 2



前回の形に

タオル入れスペースを設けてみました。

一般的なのは
手洗器のすぐ下には
幕板か引出(or開き)をセットして
一番下に
タオルスペースを設けています。

ですが
予備のタオルであればそれで良いのですが
上にあったほうが取り易いに違いないですよね(^_^)

ですが
その形にしない大きな理由は
排水管が見えてしまうから・・・

確かに
水栓の配管まで見えてしまうのであれば
醜いものですが

手洗器の配管だけであれば
これは
デザインとして成立します(^-^)

後は
配管カバーの付け方を考慮すれば
良いのです。

(設備工事とのカラミを考えなくてはいけません。)

是非
お試しください。





 
 
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この記事を書いた人

【フロートテレビボード開発者】
2004年にフロートテレビボードを開発した家具デザイナー
従来のテレビボードの欠点を解消するために、テレビボードを浮かせて配線を収納する構造を考案
ハウスメーカーや設計事務所などから多くのオーダー家具の依頼を受けている
住宅の設計担当者やインテリアコーディネーターの講師も務めている

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