できないと思い込んでいませんか?【ビッグテーブルプロジェクト】

特注家具の大きな利点は
家に入りきらないと思われるものでも
設置できてしまうというところにあります。

ここでは
3mを超えるテーブルをどのように設計し、施工したかを
スケッチと写真で解説しています。

目次

「できない」を形にします

家に入りきらないほどのテーブル、
それも3階のリビングに置きたいとなると、
家具ショップで探すことはしないはずです。

なぜなら、あるわけがないからと思っているからです。

では、
お客様はそれを叶えるためには、
ハウスメーカーや建設会社に相談をするということになりますが、
ここでも必ずしも提案が受けられるとは限らないものです。

実は
私にはそういった性格のお問い合わせがよく寄せられます。

そして今回のテーブルプロジェクトはまさにそれでした。

一枚のスケッチから始まりました

ある日
取引のあるハウスメーカーの設計担当者から、

「3mの10人掛けのテーブルを希望されているクライアントがいるので
提案してもらえませんか?」
と言う相談がありました。

それで、
最初の段階では、はっきりとした希望を確認するという意味で、
私はいつものように簡単なスケッチで提案をさせていただきました。

デザインの変遷

一枚の提案したスケッチが、
そのまま通るということもいうこともありますが、

今回はそれからさらに形を変えていくことになりましたので
また新たなデザインをスケッチで提案していきました。

最終的に決まったテーブルの形

幾度の変更を経てようやく形が決まりました。

そしていよいよ製作図面を工場に渡すのですが、
どの工場でも作れるというわけではありませんので、
技術的に確かなところにお願いをしなくてはなりません。

製作の肝となる所はジョイントする部分の処理方法

とにかくこのような大きなテーブルは搬入するときには
分割となっている状態となっています。

そしてそれぞれを繋ぎ合わせることになるのですが、
指に違和感が無いくらいのしっかりとしたジョイントを実現させるために
ボルト締めの形にする必要がありました。

仮組み状態のテーブル。R(アール)のラインがとてもきれい

難しかったのは脚の金物でした

このテーブルのデザインを支えていたのは、
実は脚金物です。

特にこのような特殊な形の脚は、金物工場の経験値に頼る以外ありませんでしたので、
この形で大丈夫かと何度もチェックをしてもらいました。

完成写真をごらんください

今回のビッグテーブルプロジェクトにつきましては
ハウスメーカーとクライアントの快い了解をいただいたことで
公開の運びとなったものであり、感謝の念に堪えません。

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この記事を書いた人

【フロートテレビボード開発者】
2004年にフロートテレビボードを開発した家具デザイナー
従来のテレビボードの欠点を解消するために、テレビボードを浮かせて配線を収納する構造を考案
ハウスメーカーや設計事務所などから多くのオーダー家具の依頼を受けている
住宅の設計担当者やインテリアコーディネーターの講師も務めている

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